心身に耳を傾ける
4月1日に平成の次なる元号、令和が公表された。
今までの慣習とは異なり初めて日本の万葉集から引用されたこの元号はとても大切な意味を持っていると思う。
日本は戦後の高度経済成長やバブルなど激動の時代を終え、僕たち今の20代の世代はゆとり世代などと呼ばれもした。
昔は時代が移り変わることなんて意識することもなく、気に留めることもなかった。
去年は歌手の安室奈美恵さんや女子レスリングの吉田沙保里さん、サッカーでは楢崎正剛、川口能活、小笠原満男、中澤佑二(敬称略)など時代を引っ張ってきた来たスターたちが引退した年だ。
そして今年はイチロー選手もついに引退を発表し、日本での引退試合はまさに歴史と記憶に残るものだった。
年を重ねてきた結果としては当然のことかもしれないが、時の移り変わりに様々な想いを馳せるようになった。
時代が移り変わると同時に僕自身の心と体も変わってきた。
昔が良くて、今が悪いということではないと思う。
間違いなく体は疲労の蓄積によって衰えていくことは確実だし、よりデリケートになってきたことをひしひし感じる。
まず胃腸が敏感になった笑
下痢や食あたりにしょっちゅうなやまされたウルグアイでの2年目だが、その分だけ自分の声に耳を傾けるようになった。
日本にいると、特に東京では自分の心の声に静かに耳を傾けることはすごく難しいと思うし、様々なノイズ(周りの期待や空気感、世間体など)が襲ってくる。
時間に追われ、自分の人生を振り返る余裕もなく、またこれからの人生を見据えることもできない。
やはり海外に出ることで一人でゆっくりと考える時間がとれることはとても貴重なことだ。
自分で体験し、自分の中から生まれたものに本物の価値が存在する。
そして自分で生きている人間になったときにその人の本当の人生がスタートする。
僕はこの一年でまるっきり人生が変わったと思っている。
今までは、人生に悩み、時に病んでいた。
ふとした瞬間に今までの経験がすべて無駄だったのかもしれないとか、プロになれなかったら何の意味もなかったことになってしまうのではないかといった思いが頭の中によぎることが多々あった。
確かに、事実これまでの4年間でプロにはなれていない。
どんな言葉より行動に勝るものはない。
けれども遠回りして、挫折して、自信を根底から打ち砕かれて、人生のどん底を経験しなければ今の自分は存在しない。
どの経験も自分にとって必要なものだったと信じている。
今はふとした瞬間に悩むのではなく、自分が受け継いだ愛の偉大さを噛みしめて前に進めると実感している。
記憶がよみがえる度に愛が自分を根底から支えてくれる自信、軸となって僕を前へと進めてくれる。